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鹿のゆくえ
交信・声なき声を聴くためのレッスン

儚さをあらわす彫刻

淡(あわ)

久住有生 / NAOKI KUSUMI

DETAIL

作品の詳細

「全ては、ほんの一瞬の出来事である。何億年も前から続く循環も進化も永遠ではない。一喜一憂する毎日も。生まれてくる事は、儚い」(久住有生)

久住有生は伝統的な左官技術とオリジナリティ溢れるアイデアを組み合わせ、国内外で活躍する左官職人。今回は桃浦の海を一望できる高台に、今にも弾け出しそうな鮮やかな青の淡(あわ)を多数点在させ、新しくも懐かしい、不思議な雰囲気に包まれた場所を創造しました。

久住がこの土地の暮らしや自然を意識しながら選んだ素材は土とセメント。それらを混ぜて作った大小の球体は相当の重量があるにもかかわらず、職人技によって発砲スチロールのごとく軽いように見えました。会期中には地面に転がる球体を鑑賞者が手に取り、それをまた思い思いに置いていました。鑑賞者が見て、触れて、感じて、そして記憶を残していくことで、毎日変化する風景がそこにありました。

  • 桃浦エリア
  • 制作年:2019
  • 準備中
  • 作品の場所:もものうらビレッジ向かい
  • 駐車場あり

久住有生

NAOKI KUSUMI

1972年、兵庫県淡路島生まれ。祖父の代から続く左官の家に生まれ、3歳で初めて鏝(こて)を握る。高校3年生の夏に、「世界を観てこい」という父の勧めで渡欧したスペインにて、アントニ・ガウディの建築を目の当たりにし、その存在感に圧倒され開眼、左官職人を目指す。日本に戻り、左官技術を学ぶべく18歳からさまざまな親方の許で、本格的な修行を始める。1995年、23歳の時に独立し「久住有生左官」を設立。重要文化財などの歴史的価値の高い建築物の修復ができる左官職人として、国内だけにとどまらず、海外からのオファーも多い。伝統建築物の修復・復元作業だけではなく、商業施設や教育関連施設、個人邸の内装や外装を手がける。現場では企画段階から参加することが多く、デザイン提案なども積極的に行っており、伝統的な左官技術とオリジナリティ溢れるアイデアが、国内外での大きな評価につながっている。また、どの現場でもその土地の暮らしや自然を意識しながら、土や材料を選び、ときには地元の暮らしの調査をしてから工事に入るなど、それぞれの風土も大切にしている。通常の仕事の他にも、日本の左官技術を広く伝えるべく、ワークショップや講演会を国内外で開催している。

桃浦エリア

自然豊かな牡鹿半島の最初の作品展示エリアとなる桃浦は、牡蠣の養殖が盛んな漁村。今回の会場は2018年に廃校となった旧荻浜小学校です。その校庭と防潮堤付近にはこれまでのRAF作品も。RAFオフィシャル宿泊・研修施設・もものうらビレッジも近くにあります。

permanent exhibition

現在展示中の作品
  • White Deer (Oshika)

    名和晃平 / KOHEI NAWA

    時刻によって表情を変える「迷い鹿」

    White Deer (Oshika)

    名和晃平 / KOHEI NAWA

    「鹿は古来から『神使』や『神獣』として、アニミズムや神道などの信仰のなかで親しまれてきました。 近年、日本では鹿が増え続けており、人里に時々現れる鹿は、『迷い鹿』と呼ばれます。 《White Deer (Oshika)》はインターネット上に現れた『迷い鹿』(鹿の剥製)を取り寄せ、3Dスキャンして得たデータを元に制作されました。 牡鹿半島・荻浜に立つその姿は遠くの空を見上げ、旅の原点である瀬戸内海・犬島の方を向いています」(名和晃平)

  • 白い道

    島袋道浩 / SHIMABUKU

    半島の先端で、空と海、金華山に向き合う

    白い道

    島袋道浩 / SHIMABUKU

    「白い道は樹木の間を抜け、空へ、海へと延びていきます。 金華山が迫り、波の見えるところ、そこに鳥たちは遊んで居るでしょうか?そこは自然をもう一度発見するところです。」(島袋道浩)

  • room キンカザン

    吉増剛造 / GOZO YOSHIMASU

    詩人が通い続ける部屋

    room キンカザン

    吉増剛造 / GOZO YOSHIMASU

    展示の準備で鮎川へ来た際、吉増剛造が常宿としていた『ホテルニューさか井』の2階の一室が展示の場所です。 金華山を望むその部屋に滞在して書かれた、新しく生まれたばかりの詩や創作の現場を垣間見ることができます。

  • Microcosmos -Melody-

    増田セバスチャン / MASUDA SEBASTIAN

    駅前に新たに加わる華やかなピアノ

    Microcosmos -Melody-

    増田セバスチャン / MASUDA SEBASTIAN

    「RAF2018 のライブコンサートや、廃校となった旧荻浜小学校の音楽室で展示された RAF2019 作品が、石巻市ささえあいセンターで継続展示となりました。 「一音一音がその人の色となり、空へ飛んでいくようなイメージで制作した 《Microcosmos -Melody-》 が、また石巻の皆さんの元に帰ることができてとても嬉しく思っています。 こんな時代には、華が必要です。 どうにもできない出来事の中でも、心はいつでもカラフルに彩られて欲しい。 このピアノが色々な世代のコミュニケーションツールとなり、皆さんと一緒にカラフルなメロディを奏でることを願っています」(増田セバスチャン)

天候や現地の状況によって鑑賞できない場合があります。 詳しくはインフォメーション。 SNS 等を参照ください。

OUTLINE

開催概要

Reborn-Art Festival 2021-22
— 利他と流動性 —

【 会期 】

オンライン : 2021年1月6日(水) 〜
夏 : 2021 年 8 月 11 日 (水・祝) ~ 2021年 9 月 26 日(日)
春 : 2022 年 4 月 23 日 (土) ~ 2022年 6 月 5 日(日)
※会期中メンテナンス日(休祭日)を設けます。

【 メイン会場 】

ー 夏 ー
2021年
石巻市中心市街地
牡鹿半島(桃浦、荻浜、小積浜、鮎川、and more...)

ー 春 ー
2022年
石巻地域

【 主催 】

Reborn-Art Festival 実行委員会
一般社団法人APバンク

【 助成 】

文化庁 国際文化芸術発信拠点形成事業

【 翻訳 】
hanare × Social Kitchen Translation(英語)
小山ひとみ、吴珍珍(中国語簡体)、陳 兪方(中国語繁体)

【 Web Direction 】
加藤 淳也
(PARK GALLERY)

この情報は2021年3月20日時点のものです。
新型コロナウイルスの影響等でやむを得ず変更する場合があります。
あらかじめご理解をいただければと思います。
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