FOODプロジェクトのひとつとして、8月28日(土)に石巻の新しい文化施設「マルホンまきあーとテラス」でシンポジウムを開催します。食をテーマにした講演や音楽プログラム、生産者も登壇するディスカッションなどにより、参加者が多角的に食を感じ、考える場を創出。食べるという日常的な行為から、持続可能な未来を思い描くための知識やヒントを得られる場となります。
「SDGs」—— 地球環境のことを考えると、確かに何か大切な目標のように思えるけど、壮大すぎて何から実践していったら良いか、正直難しい。でも、「大切な家族」「大切な仲間」「大切な地元」のことを思ったら、今日から一歩を踏み出せそう。
石巻のみんなで学び、課題を分かち合い、確かな一歩を踏み出す。
石巻が好きだから、牡鹿半島が大切だから、今日から始める“サステナブル”。
“サステナブル”を日常から。
【 プログラム 】
基調セッション「利他と流動性」
・小野寺愛(一般社団法人そっか共同代表)
・真鍋太一(Food Hub Project Co-CEO)
・小林武史(Reborn-Art Festival 実行委員長、音楽家)
プレゼンテーション「三陸の海と気候変動」
・矢倉浅黄 宮城県水産技術総合センター 技師
トークセッション①「石巻から世界を変える」
・モデレーター:長谷川琢也(一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン事務局長)
・阿部勝太(一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン代表理事、漁師)
・亀山貴一(一般社団法人はまのね代表理事、漁師)
・布施太一(株式会社布施商店社長)
トークセッション②「市民活動から世界を変える」
・モデレーター:高橋由佳(一般社団法人イシノマキ・ファーム代表理事)
・齋藤翔太(サスティナ鶴岡 代表)
・中村清作(全国漁業青年会会長)
・小野寺愛(一般社団法人そっか共同代表)
トークセッション③「日々の暮らしから世界を変える」
・モデレーター:菊池博文(H3 Food Design代表)
・渡辺幸樹(「中国料理 大鵬」シェフ)
・ノイハウス萌菜(株式会社斗々屋 広報)
・西村千恵(FARM CANNING代表)
Salyu × 小林武史 スペシャルミニライブ
RAF シンポジウム2021 ~食にまつわる利他と流動性~
Supported by 木下グループ
開催日時:2021年8月28日(土)
開場 11:00 / 開演 12:00 / 終演 17:00(予定)
会場:マルホンまきあーとテラス 石巻市芸術文化センター 大ホール
主催:Reborn-Art Festival 実行委員会
料金:無料(リボーンアート・パスポートをお持ちの方)
※ 状況により、今後プログラム内容などが変更になる場合があります。変更が生じた際にはこのページにてご案内します
【 登壇者プロフィール 】
阿部勝太
フィッシャーマン・ジャパン代表理事
1986年生まれ。漁師の家系の3代目。高校まで石巻で過ごしたのち、5年ほど仙台、東京、愛知などで働く。24歳の時に地元石巻に戻り漁師業を継ぎ、そのおよそ2年後に東日本大震災に遭う。震災後も漁師を続けることを決意したが、今までのやり方ではなく、自分で獲った海産物は自分の手で売りたいと考え、「漁業生産組合 浜人」という漁師が集まった法人を立ち上げる。そして震災から4年後、個々の力だけでは震災からの復興、今後の漁業に起きうる高齢化や所得の低迷などの問題を解決していくのは難しいと考え、いろいろな浜の若い漁師を集めて一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンを立ち上げる。コロナ禍で食の業界に新たな問題が様々浮上するなか、負けずに乗り越えようと奮闘中!
小野寺愛
一般社団法人そっか共同代表、
日本スローフード協会三浦半島支部代表、
エディブル・スクールヤード ジャパンアンバサダー1978年生まれ。上智大学卒業後、就職した外資系証券会社をドロップアウトし、NGOピースボートに16年間勤務。地球一周の船旅で教育プログラムを担当するなかで、「グローバルな課題の答えはローカルにある」「平和は子どもからはじまる」と気づき、神奈川県逗子市での地域活動に情熱を注ぐようになる。2017年に活動拠点として「海のじどうかん」を開設。小学生の放課後の自然学校「黒門とびうおクラブ」、認可外保育施設「うみのこ」、規格外野菜を買い取る「もったいない野菜基金」などの活動に取り組んでいる。趣味はカヌー、畑、おせっかい。三児の母。
亀山貴一
一般社団法人はまのね代表理事
1982年生まれ。石巻市蛤浜で生まれ育ち、宮城県水産高校の教師となる。震災によって壊滅的な被害を受けた蛤浜を再生するため、2012年3月に蛤浜再生プロジェクトを立ち上げる。2013年3月に宮城県水産高校を退職し、2016年3月まで宮城県おしか地区復興応援隊として活動。2014年4月に一般社団法人はまのねを立ち上げ、牡鹿半島の持続可能な集落づくりを目的として、蛤浜を拠点にcaféはまぐり堂の運営、マリンアクティビティ、漁業・林業・狩猟の6次産業化などの事業に取り組んでいる。
菊池博文
H3 Food Design代表
岩手県山田町出身。ANAホテル東京、フォーシーズンズホテル東京、グッチ・ジャパンを経て、2001年星野リゾートへの転職を機に軽井沢に移住する。軽井沢ホテルブレストンコートのブライダル開発を経て、2011年に開業した「ユカワタン」立ち上げを担当。2015年「noma Tokyo Mandarin oriental」における長野県食材の調達を担当。2016年星野リゾートを退職、同年にプロデュースした「もうひとつのdaidokoro」はグットデザイン賞を受賞する。2018年「H3 Food Design」を起業し、日本の地方から、ガストロノミーを起点としたソーシャルデザインに取り組んでいる。J.S.A認定ソムリエ・調理師免許・フードツーリズムマイスター取得。
小林武史
音楽家、ap bank代表理事
日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手掛ける。映画音楽においても『スワロウテイル』『リリイ・シュシュのすべて』を手掛けるなど数々の作品を生み出す。2003年に非営利組織「ap bank」を設立。環境プロジェクトに対する融資から始まり、野外音楽イベント「ap bank fes」の開催や東日本大震災などの被災地支援を続けている。千葉県木更津市で農場「KURKKU FIELDS」も運営し「食」の循環を可視化するプロジェクトも進めている。東日本大震災復興支援の一環としてスタートしたリボーンアート・フェスティバルでは実行委員長および制作委員長を務め、2017年には、ビジュアルデザインスタジオWOWとバルーン・アーティストDAISY BALLOONとのインスタレーション作品《D・E・A・U》を制作。
齋藤翔太
庄内ざっこ(山形県鶴岡市)料理人
1985年生まれ。山形県鶴岡市出身。家業である日本料理店「庄内ざっこ」で、父の背中を見て料理人を目指す。高校卒業後、仙台のホテルにて和食の基礎を学び、その後鶴岡に帰郷し、郷土に根付く食文化や食材、人との繋がりに改めて感銘を受ける。現在は「庄内ざっこ」を家族で営みながら、食文化の魅力や生産者の食材に対する思いを伝えるべく、料理で表現。浜や畑、田んぼへも足しげく通い、日々研鑽を積んでいる。鶴岡市が独自に開催する大会「第1回鶴岡№1次世代料理人決定戦」にて初代グランプリを受賞。また生産者と料理人で組織する団体「サスティナ鶴岡」の代表として、ぐるなびが主催した「RED U-35 spinoff 食のサステナブルAWARD」にて金賞を受賞。
Salyu
歌手
2000年、小林武史のプロデュースによりデビュー。映画『リリイ・シュシュのすべて』(岩井俊二監督)の音楽プロジェクトにLily Chou-Chouとして参加。2004年、Ilmari×Salyuとしてシングル「VALON」を発表後、Salyu名義でソロデビュー。2006年、Bank Band with Salyuとして、櫻井和寿とのデュエットソング「to U」を発表。Salyuとして5枚のオリジナルアルバムと1枚のベストアルバムをリリースしている。2017年より、宮沢賢治の諸作品をベースに人類学者・中沢新一が脚本を書き下ろした音楽劇『四次元の賢治』に出演。
高橋由佳
一般社団法人イシノマキ・ファーム代表理事
認定NPO法人 Switch理事長
宮城労働局就労支援アドバイザー
石巻市農業委員会委員
精神保健福祉士
日本ファンドレイジング協会准認定ファンドレイザー
二輪メーカーに所属し、ワークスドライバーとしてカートレースに参戦。その後、教育・福祉分野の専門職を経て、2011年、こころの病を持つ人たちの就労・就学支援を行う認定NPO法人 Switchを仙台市に設立。2016年に「ソーシャルファーム」を理念とした、就農支援を行う一般社団法人イシノマキ・ファームを石巻市北上町に設立。地域活性化の一環として、ホップ栽培、クラフトビールの醸造(委託醸造)、販売も行っている。
中村清作
中村水産運営統括責任者
全国漁青連会長理事
滋賀県漁業協同組合連合会青壮年会副会長理事
海津漁業協同組合員
1985年生まれ。滋賀県高島市出身。琵琶湖の漁師一家の3代目。高校中退後2年間必死で遊び、その後2年間必死で働き、20歳から家業である漁業に就く。漁業だけでなく、オンラインショップの運営、県内の教育機関などでの出張料理教室、食を通じ地域の魅力を伝える「湖地考知(コチコチ)プロジェクト」、「湖魚を食べる会」など幅広く活動。琵琶湖の資源を守り漁師を続けるため、仲間たちとともに環境問題や食育などに取り組んでいる。第4回「Fish-1グランプリ」プライドフィッシュ料理コンテスト部門にてグランプリ受賞。
西村千恵
ファームキャニング代表
1982年東京生まれ、逗子在住。3児の母。都内でオーガニックカフェの立ち上げと運営に携わった後、第2子妊娠を機に三浦半島へ移住。「もっと畑を日常に」をコンセプトに、ファームキャニング合同会社を設立。流通されない規格外野菜の瓶詰め加工販売のほか、畑仕事を体験するスクール事業、ケータリング事業などを展開。また、6次産業支援の講習会やレシピ開発、サステナブルな食に関する事業コーディネート、イベント企画などを通じ、持続可能な農業や食を楽しみながら伝える活動をしている。著書に、NHK趣味の園芸テキスト「やさいの時間」の2年間の連載をまとめた『野菜まるごと 畑のびん詰め 季節のファームキャニング』(NHK出版)、『畑から生まれた野菜のいちばんおいしいレシピ』(家の光協会)がある。
ノイハウス萌菜
株式会社斗々屋広報担当
サステナビリティ・コンサルタント
のーぷら No Plastic Japan代表
イギリスから日本に引っ越してきてから周囲の「使い捨て」の多さに敏感になり、一人一人ができるところから変えていくべきだと感じ、プラスチックストローの代替品となるステンレスストローブランド「のーぷら No Plastic Japan」を設立。それ以来、環境保護を自分ごととして捉え、それぞれが無理なく日常に取り入れられる環境保護活動やそれに繋がる行動を提案し発信している。株式会社斗々屋には、初期メンバーおよび広報担当として2019年から携わっている。斗々屋は、「量り売り」から拡がる未来のための今の暮らしを創造し、持続可能なスパイラルで、豊かさの価値を変えていくことを目指している。2021年7月には、IoTを活用した日本初の「ゼロウェイスト*」なスーパーマーケット規模のお店を京都にオープン。
*ゼロウェイスト(zero waste)⋯ 無駄・ごみ・浪費をなくす
長谷川琢也
一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン事務局長
1977年3月11日生まれ。自分の誕生日に起きた東日本大震災をきっかけに東北に関わり始める。石巻に移り住み、東北の人たちとビジネスを立ち上げる最中、震災復興を超え、漁業の未来をみつめる漁師たちと出会う。そして漁業を「カッコよくて、稼げて、革新的」な新3K産業に変え、担い手が後を絶たないようにするために、地域や職種を超えた漁師集団フィッシャーマン・ジャパンを立ち上げる。担い手を増やすための事業「TRITON PROJECT」では、石巻市や宮城県漁業とも連携し、漁師のシェアハウス整備、漁師学校実施、漁業専門求人サイト運営等で県内や県外から漁業従事者を増やしている。その他、民間企業を巻き込んで漁業のイメージを変えるプロジェクトや、国際認証取得を目指す試み、生産者と消費者を繋ぐための飲食店事業など、漁師たちと共に未来の漁業を創るべく、奮闘中。
布施太一
株式会社布施商店 代表取締役
2007年に大学を卒業後、大手総合商社に勤務し、食品流通関係の業務に従事。2011年に東日本大震災が起こり、地元・石巻に戻ることを決意。2018年に実家の家業である株式会社布施商店に転職し、2021年に代表取締役に就任。2021年7月より、世の中に海や魚の魅力を伝えるための施策として、Youtubeでの活動(「仲買人、タイチ」チャンネル)を開始した。趣味は、サーフィンとゴルフで、好きな魚は真鱈(マダラ)。
真鍋太一
Food Hub Project Co-CEO
Nomadic Kitchen支配人
RichSoil&Co.(the Blind Donkey)COO
1977年生まれ。愛媛県出身。アメリカの大学でデザインを学び、東京で広告業界に10年ほど従事。空間デザインやイベント運営などを行うJTQ株式会社を経て、株式会社モノサスに勤めながら、2012年よりeatripオーナー・野村友里を中心とした東京の料理人たちと「Nomadic Kitchen」を始動。全国の作り手のもとをめぐり様々な料理会を企画。2014年3月より妻子とともに神山町に移住。2016年4月より地域の農業を次世代につなぐ「Food Hub Project」を、神山町役場、一般社団法人神山つなぐ公社、株式会社モノサスと共同で立ち上げ、2021年4月より共同代表取締役支配人を務める。同プロジェクトで2018年度グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)受賞。2019年11月より東京・神田の小さな生産者を応援するレストラン「the Blind Donkey」を経営するRichSoil&Co.支配人も務める。
矢倉浅黄
宮城県水産技術総合センター 技師
1989年生まれ、神奈川県横浜市出身。東京海洋大学海洋環境学科、東京大学大学院農学生命科学研究科(水圏生物科学専攻)を卒業。2014年に宮城県庁へ入庁し、2017年より水産技術総合センターで海況およびアナゴ・アカガイ・ガザミなど沿岸資源を担当している。
渡辺幸樹
大鵬(京都)二代目シェフ
1981年生まれ。京都出身。京都の中国レストラン「楼蘭」ほか数軒のレストランで研鑽したのち、2009年大鵬に戻るが、現地の中国料理を学ぶため四川などで再び研修。2014年に大鵬をリニューアルし、ワインなどを扱うことをきっかけに自然環境問題に目覚める。農業、畜産、漁業の抱える課題を身近で現実的なものとして捉え、他店が使わない食材や部位などを積極的に取り入れ、「可能な限りもったいないを無くす」をコンセプトに食品ロス削減に努める。また、本当に安心なもの、作り続けることで地球環境への負荷が少なくなるような食材を、中国料理の技法や日本の風土、アイデアを活かして調理し、提供している。